F.T.B.W.
by fuzuki-2009
71st Street
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以前、僕はニューヨークのマンハッタン、アッパー・イーストサイドの71丁目にアパートの部屋を借りて一人暮らしをしていた。

比較的治安の良いエリアだったけれど、留学費用の全額を自腹で賄っていた貧乏学生の僕に借りる事が出来たのは、ボールを置けばかなりのスピードで転がる床と、歪んでいて真冬も閉まり切らないたった一つの小窓と、シャワー・ヘッドのフックをぐるぐる巻きのガムテープで括り付けたバスルームのある刑務所のような部屋だった。
その部屋と刑務所との決定的な違いはいつでも外に出られるというその事だけだった。
そして僕がそこで手に入れた自由とは、全ての責任を自分一人で背負う代わりに、家族や友人・知人の事を僕が心配などしても全く無駄だという種類のそれだった。
その自由の中での暮らしは僕にとってこの上なく素晴らしかった。
僕が欲していたもの、そのものだった。

同時にその頃僕はこうも感じていた。
結局、自由って「人」を欲する事を内包しているのかなって。
けれどもその「人」っていうのはもちろん家族や友人・知人ではなく、新たな出会いの事なのだろうなって。
実際、僕は向こうにいた間、一度も家族や友人に会いたいと思わなかった。
まあ、たった一年の事だからでもあるけれど。

以来、僕は新たな出会いを求めて30以上の世界の国々を1人で旅した。
そこでは掛け替えの無い出会いもあったし、苦い思いしか残さないそれもあった。

自由と孤独は表裏一体であるけれど、孤独の内には「刹那的な出会い」ってやつもきっと含まれるだろう。
いや、むしろその「刹那的な出会い」によってこそ孤独は深みを増し、身震いするような魅力を纏う。
出会いの帰結は当然別れ。
それをも糧にする事が人生を楽しみ尽くす術だって僕は思う。
シャキーン!

No Camera Information - new york, u.s.a.



一人でこのアパートを借りる前、3ヶ月の間、僕はブルックリンでホームステイをしていた。
日本からホームステイ先に着いて2日後の登校初日、マンハッタンのミッドタウンにある学校にブルックリンから地下鉄を乗り継いで向かい、グランド・セントラル駅の地下から地上へ出て摩天楼を見上げた瞬間の、この街の音、匂い、光景にうわーって思った感動は今も微塵も色褪せません(笑)。
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by fuzuki-2009 | 2013-04-16 21:14 | Monologue | Comments(2)
Commented by masaphoto-life at 2013-04-18 22:42
2枚目がすっごい素敵です。いろいろな感情が写っているよう。。。
刹那的な出会いの所、凄くよくわかります。
結局人って徹底的に孤独がつきまとうものなのですが、
それでも、だからこそ、人をもっと好きになりたいって思います。

写真を撮った後の感情もなんとなくこれに近い気がとてもします
シャキーン!(すみませんパクリました(笑)素敵な写真楽しみにしてます〜)
Commented by fuzuki-2009 at 2013-04-19 21:30
>masaphoto-lifeさん
コメントありがとうございます。

これはまだ写真に興味を持つ前に撮ったものなんですよね。
ブレブレだけれど気に入ってます(笑)。

masaさんも旅人だから孤独の魅力って理解して頂けると思います(笑)。
孤独への理解無しには他人への理解は無いんじゃないかな、とか思いますね。
ぬるま湯の中での当たり障りのない会話が心地よいタイプの人達には味わう事の出来ないモノを我々は知っているはずだなんていう地味な優越感に浸っています(笑)。

今後も頑張りますのでよろしくです。
シャキーン!
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