F.T.B.W.
by fuzuki-2009
A Magic Man
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Rolleiflex 2.8F - nakameguro, japan



少し前、盛夏の写真ですが、今日の記事に相応しい写真という事で選んでアップしてみました。

季節外れになってしまいましたが、今夜は怪談を一席転がしてみようかと思います。
僕は怪談など全く信じないタイプの人間ですが、であるからこそと言うべきか冷静に話す事が出来るのが却って効果的らしく、怪談の語り部としてはなかなか優秀らしいのです。

大学時代は合コン等で度々女の子達から「Fuzuki君、何か怖い話してよー。」なんて言われて、僕も満更でも無く、「またかよー。でも、凄く怖いよ。」なんて言って話し始めると最初はキャッキャと言っていた女の子達も忽ち無言になってしまって、一人の女の子の悲鳴をきっかけに女の子達が集団ヒステリーを引き起こしてしまった、なんていう事もありました。

ただし、今からお話しする出来事は僕がまだ誰にも語った事の無いものです。
今まで誰にもこの話を語る事をしなかったのは、その出来事を僕自身が現実の事として消化しきれていなかったからだろうと思うのです。

もしもこの記事をお読みの皆さんの中に、怖い話が苦手とか、怖い話を聞くと眠れなくなるという女性がいらっしゃるならば今回の記事はこれ以下を読むのを控えた方が良いかと思います。

では、早速。

人が愛着を持って長く使った物にはその持ち主の魂やら思いやらが籠る、なんて言う事はよく耳にしますよね。
僕はそんな事は有り得ないと思うタイプの人間であるし、全く信じたりはしないのですが。

あれは僕が大学一年生の時でした。
僕は夏休みに入るとすぐに大学の友達の紹介で、ある造園屋さんにアルバイトとして雇ってもらう事になりました。
アルバイトにも次第に慣れてきて、その日は、ある一軒の古い大きなお屋敷の庭の手入れが仕事でした。

アルバイト先の親方はその家が近付くと、「今日は最初に庭に落ちている椅子を拾ってくれ。たくさん転がっているから。そうしないと邪魔で仕事にならないからな。」と僕に伝えました。
僕はそれを聞いて「なるほど。引っ越してきた借主さんが庭の手入れを依頼してきたけれど、不要になった家具を取り敢えず庭に出したままにしてあるんだろうな。」と理解しました。

そしてその大きなお屋敷の庭に着くと、親方はまた「じゃあ、先に椅子を集めちゃってくれ。」と言いました。
ところが、です。
庭は確かに広大なものでしたが、それでも一軒の民家の庭です。
視野に入らない程の部分がある訳でも無く、庭の全てが僕の視界に入っています。
けれども家具どころか椅子など一つとして僕には見付けられませんでした。
「椅子なんか無いけどなぁ。」と思っていると、親方は「ほら、早くやっちゃえ。」と僕を急かします。

「椅子、家の人が片付けたみたいですね。」と僕が言うと、親方は「何言ってんだ?そんな事する訳ないだろ。ほら、たくさん椅子があるんだから先にどんどん集めて来い!」と言います。
親方は冗談など言うタイプの人ではない事はアルバイトを始めて以来この数日で理解していたし、ましてや仕事に関して冗談など絶対に言わない人でした。

「いや、でも。」と僕が言うと、誰にでも出来る簡単な仕事をなかなか進められない僕を歯痒く感じたらしく、親方は明らかに怒気の籠った口調で「Fuzuki、お前そんなに目が悪いのか?さっさとやれ!」と言います。
親方は60歳くらいの年齢でしたがボケているというような症状は全くなく、健康そのものの人でした。
ですが、僕も理不尽な事を言われて黙って聞いていられるような性格ではないので「いや、だって、親方、椅子なんて一つも無いじゃないですか!」と口答えをしました。

すると、親方は「馬鹿野郎、Fuzuki!よく見てみろ!こんなにたくさん椅子ころが転がってるじゃないか!」
「えっ?椅子ころ?」

親方、バリバリの津軽半島出身者だったと言うね・・・。
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by fuzuki-2009 | 2013-09-27 21:21 | Rollei | Comments(2)
Commented by くら at 2013-09-28 08:22 x
あはは!!!
「いすぃっころ」って声に出して試して見ました(笑)。
津軽の訛りはなかなかとれない?そうですから。
って、津軽の方々に失礼でしょ!!
江戸っ子の「ひおしがり」と似たようなもんですね。
この話を聞いて、「恐怖の味噌汁」などなどを思い出して懐かしくなってしまいました。
Commented by fuzuki-2009 at 2013-09-28 08:34
>くらさん
コメントありがとうございます。

いやー、僕には完全に「椅子」としか聞こえなかったんですよね(笑)。
未だに現実として受け止めることが出来ません(笑)。
その親方、滅多な事では人に敬意など持たない僕が尊敬できる数少ない方だったので余計に笑いを堪えるのが厳しかったですよ(笑)。
僕は様々な地方の訛りって結構気に入っていて、それが僕が敢えて時々「ひ」を「し」と書く所以です(笑)。
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