F.T.B.W.
by fuzuki-2009
カテゴリ:Monologue( 24 )
Just Wanna Have Fun !
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モノクロスナップでの僕の気に入りの一枚。
少女の楽しげな様子を出せたかなと思う。
彼へのオマージュとしてはこんな写真が相応しい気がする・・・。

ほとんど人に語った事の無い話。
実は僕には写真を教えてもらった師匠がいる。
いや、写真について教えてもらったのは僅かな事だけ。あとは僕が彼の手焼きのプリントを見てそこから自分で学んだ。

僕よりいくらか年上で、優しい笑顔が印象的な寡黙で穏やかな人だった。
最近よくいる、他人と群れる事でしか安心感を得る事が出来ない軟弱なファック野郎どもとは一線を画す人だった。
孤高の人と呼ぶに相応しい人だった。
写真だけでなく、人として僕の憧れの存在だった。

彼の撮る写真は35mmのモノクロスナップそれのみ。
世界各国で撮ったそれらの自家現像、手焼きの写真は息を飲む美しさだった。
僕は写真というものを好きになってから膨大な数の素敵な写真を見てきたが、ある要素において彼の写真を凌ぐものを僕はまだ知らない。

その要素、即ち僕が彼から学んだ事は、被写体に対する優しい眼差しだった。そして人と人との関わりの美しい絆だった。そして何よりも見る人の心をプラスに変える温かい写真だった。

いつしか、静かに彼との縁は切れた。
僕の不義理が原因だったと思う。
縁が切れるしばらく前、彼の言った言葉が今も心に焼き付いている。
「いつか必ず這い上がって見せますよ。」
穏やかな彼に初めて感じた憤怒にも似た闘志だった。

今、僕は彼がどこで何をしているのか知らない。
写真を続けているのかさえも。
僕には写真における明確な目標と目的がある。それは再スタートしたこのブログの最初のポスト(One Shot Reloaded)で十分ほざいた。
そして僕は遅かれ早かれ、その「目的」を達成出来ようが出来まいがいつか必ず死ぬ。
だから彼が写真を続けていてほしいと思う。あの静かな闘志とともに。
何故なら僕の写真の「目的」は僕だけでなくみんなの力でこそ達成出来る種類のものだから。
僕自身が達成しなくてもいい事だから。

けれども僕の写真の「目標」は僕が僕に課した自分だけのためのものだ。
だから僕は彼にもほざく。
「師匠、僕はいつかきっとあなたをも凌駕してみせる。」
きっとその耳に届いてはくれないであろう我が師匠への宣戦布告。

叶う事ならいつか写真についてあの頃のようにあのカフェで。

Hasselblad 503CXi - kamakura, japan - Re:#16

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by fuzuki-2009 | 2012-01-17 19:55 | Monologue | Comments(6)
At The Cape
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普段吸う銘柄ではないセーラム・メンソールを口に咥え火を点け、吸わずに放り投げると100m程の断崖をタバコは風にあおられながらゆっくりと落ちてゆく。
バスでようやく辿り着いたそこはユーラシア大陸の西の果て、ロカ岬。
僕はバックパックを隣に置き、崖際に腰を下ろして大西洋を見渡す。
遥かな水平線がなだらかに弧を描いている。

大学時代、快楽と虚栄心と着飾る事にしか頭が回らないクソのような学生だった僕がKと知り合ったのは同じ学部の講義だった。
お坊ちゃん育ちで気は小さいのに向こうっ気は強い。クールに見えて意外に熱く、お洒落なKとはサークルは違っていたが、妙に気が合って一緒に過ごすことが多かった。
当時のKの趣味は旅、カメラ、写真、音楽、シングルモルトウィスキー。僕はその頃、旅にも写真にもカメラにも何の興味も持っていなかった。
Kは大学の休暇を利用しては海外へ旅に出て土産話を僕に聞かせる。
「このカメラは小さいけどな・・・。」僕が一瞥すらしないカメラについて熱く語る。
Kの話はいつも聞き流すのが常だった。

良い奴だった。
Kは進路選びで涙を流して悔しい思いをしながらも念願だった大手の企業に見事合格した。
僕はやりたい事も無く、半ば現実逃避しアルバイトでお金を貯めてニューヨークへ語学留学すると決めた。

卒業すると都内に実家のあるKとはいつでも会えるだろうという気安さから徐々に疎遠になった。

それから数年後、仕事先に僕の自宅から電話が掛かる。
「Kさんのお母さんから。Kさん今朝亡くなったって・・・。」
どうしてだろう。悲しいとも感じなかったし涙の一粒も浮かんでは来なかった。この世から消えたと思えなかった。

今・・・。
僕は旅の猛者とは比較にならないけれど、それでも一人で数十カ国は旅をしてきた。
学生の頃は考えられなかった高価なカメラも手にしてきた。
素晴らしい写真は撮れなくても時々イメージ通りに撮れる事も増えてきた。
お酒は好きではないけれど強いからシングルモルトなら何杯でもいけるだろう。
旅もカメラも写真の事も考えるだけでワクワクする人間になった。
Kが生きていたら、二人でシングルモルトのグラスを重ねてどんな会話が出来ただろう。
今、たくさんたくさんたくさん話を聞かせたいのは僕の方になった。
Kは大好きなセーラム・メンソールを燻らせながら僕の話を聞き流さずに興味津々で耳を傾けてくれるだろう。

ごめんな、聞き流してばっかりで。でも少しは聞いてた事もあるぞ。

お前あの頃、「いつか絶対ロカ岬に行きたい。」って言ってたよな。

Nikon FM3A - cabo da roca, portugal

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by fuzuki-2009 | 2011-12-19 20:07 | Monologue | Comments(0)
Around The World In A Month
電車やバスに数十分乗っただけですぐにゲロってしまうような乗り物に弱い小学生だった僕。
そんな僕も今は世界各国を一人で歩く程の旅好きに。
きっかけは大学を卒業してお金を貯めて行ったニューヨークへのほんの一年ばかりの語学留学、とは名ばかりのお遊び留学(笑)。
そこでの世界各国からの珍妙奇異な強者どもとの交流に触発されました。

で、その留学後、最初に一人でバックパックを背負って向かったのは一ヶ月間地球一周の旅。
今でこそ、日本で最初の目的地までの往復チケットだけ買って、あとは現地でその先の行先を決め、チケットも現地で買うことが多いですが、その時は様々な航空会社のチケットを地球一周りになるように繋いで日本で全部買って行きました。

この旅を選んだ理由はまず、南アフリカの喜望峰への憧れを現実のものにしたかった事。加えて地球って星は一体どのくらいの大きさなのか身をもって知りたかった事。

とにかく西へ西へ。「太陽を追いかける旅」とか「時間を巻き戻す旅」とか言い換えてもいいかも知れません。
僕はロマンティストだから本当にしたかったのは「虹を追いかける旅」なんだけど。嘘。

一ヶ月間の大まかなルートは
成田→クアラルンプール(マレーシア)→マラッカ(マレーシア)→クアラルンプール→ヨハネスブルグ(南アフリカ)→ケープタウン(南アフリカ)→喜望峰(南アフリカ)→ケープタウン→ブエノスアイレス(アルゼンチン)→モンテビデオ(ウルグアイ)→ブエノスアイレス→リマ(ペルー)→メキシコシティー(メキシコ)→ロサンゼルス(アメリカ)→成田
という四大陸を巡る極めて忙しない移動を伴う旅。

で、感想は「地球って案外ちっこい惑星なんだなー。」って事。
こんな小さい星、みんなで大切にしないとすぐにぶっ壊れちゃいますよ。

kuala lumpur/malacca, malaysia
johannesburg/cape town/cape of good hope, south africa
buenos aires, argentina
montevideo, uruguay
lima, peru
mexico city, mexico
los angeles, u.s.a.
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by fuzuki-2009 | 2011-12-08 21:08 | Monologue | Comments(0)
The Beautiful World
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涙を流して訴えても相手にされなかった悲しみにどんなに絶望しただろう。
周りでみんなが楽しそうにお昼を食べている中、一人ぼっちで食べるお昼の時間はどんなに惨めだっただろう。
自分を情けなく感じてしまって胸が張り裂けそうになってしまった事もあるだろう。
苦しみから逃れたくて人を憎み、心を汚してしまった事もあるだろう。
夢想に現実逃避した事も数え切れないくらいあるだろう。
謂われのない中傷にどれだけ幼い頭を悩ませただろう。

言うに及ばず僕にはこの世の中を変えるだけの権力も財力もありません。
だから、せめてたった一枚の写真がたった一人の心でもプラスに変えられるように、こんな事を起こしてしまう人々の心を僅かでもプラスに変える事が出来るように、そのために良い写真を撮らなくてはいけないと改めて思います。
虚栄心を満たすのではなく、優越感に浸る為の写真でもなく、人を笑顔に変える事の出来る写真が撮りたいと思います。

今日、素晴らしい展示を拝見しました。
Sanpeiさん、Toshiさん、Yuichiroさんのおかげで写真の持つ限りない力を改めて信じる事が出来ました。
みんながこれほどの力を持ち、それを結集させたら不可能な事も可能に変えられるのではないか。

僕一人の力など無に等しく、僕の写真の力もまだまだ遠く遠く及びません。
写真を愛するみんなが一人一人素晴らしい写真を撮り続けましょう。微力を合わせて美しい世界に変えましょう。
こんな気持ちに誰か一人でも多く賛同してくれたら嬉しい、と思います。

長く希望に満ちた未来を放棄してまで苦しみから逃れなければならなかった群馬県桐生市の小学六年生、上村明子ちゃんとご家族に捧げます。

Hasselblad 503CXi - kamakura, japan - Re:#1

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by fuzuki-2009 | 2011-12-07 20:33 | Monologue | Comments(0)


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